アメリカテキサス州ダラスにある空港は「DFW(ディエフダブリュー)」と呼ばれている。「ダラス・フォートワース国際空港」略で、航空業界で使われる3文字のエアポートコードがそのまま一般呼称になっているのだ。この空港、実は約60キロメートル離れて隣接するダラス市とフォートワース市のまさに中間にある。名称が両都市の名をつないだものになっているのは、そのためである。

ダラスが比較的に知られた米南西部の大都市である一方でフォートワースは少し地味だが、そこは西部開拓時代の雰囲気がいまだに残る魅力的な場所。国立歴史地区として西部劇の世界がそのまま残される「ストックヤード」があるので、ぶらりと訪れてみることにした。

ダラス・フォートワース国際空港

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アメリカテキサス州ダラスにある空港は「DFW(ディエフダブリュー)」と呼ばれている。「ダラス・フォートワース国際空港」略で、航空業界で使われる3文字のエアポートコードがそのまま一般呼称になっているのだ。この空港、実は約60キロメートル離れて隣接するダラス市とフォートワース市のまさに中間にある。名称が両都市の名をつないだものになっているのは、そのためである。

ダラスが比較的に知られた米南西部の大都市である一方でフォートワースは少し地味だが、そこは西部開拓時代の雰囲気がいまだに残る魅力的な場所。国立歴史地区として西部劇の世界がそのまま残される「ストックヤード」があるので、ぶらりと訪れてみることにした。

ダラス・フォートワース国際空港
DFWからクルマを西に走らせると、荒野と呼んでも良さそうな広大な土地を、ハイウエイが縦横無尽に貫いている。その規模感はまさにアメリカである。高速で走り続けてもその距離感を掴みきれないのが面白い。交通量も速度もダイナミックなのだが、全体的に車線幅がゆったりしていて標識などの案内もわかりやすく、運転そのものは余裕を持って楽しめる。

ほどなくしてフォートワースに到着する。街の人口は約80万人で、中心部には見上げるばかりの高層ビルも多数建つ。同時に、中心部のダウンタウンにもどこか西部開拓時代の面影が残り、またそれを現代風にアレンジした落ちついた風情の通りや建物や店舗が並んでいる。ここに立つだけでもアメリカ南西部の歴史の一端を感じられるかのようだ。

ストックヤード

さらに中心部から10分ほどの郊外に進むと、目的地の国立歴史地区「Fort Worth Stock Yards(ストックヤード)」がある。アメリカの西部開拓時代の街並みがそのまま保存されているエリアだ。石畳のメインの通りには低い屋根に重厚な木製ドアや、店頭に馬留めを備えた店舗や飲食店が連なり、ほとんどが現在も営業中だ。店舗で販売されている商品はいわゆる「ウェスタン」なテンガロンハットにブーツやジャケットなどの革製品、馬の蹄鉄を使ったオブジェなどなど。いずれもお土産物の域を超える本格的な作りのものばかりであるのが印象的だ。販売スタッフの服装や立ち振る舞いもどこか西部劇風なのは、気のせいか。飲食店ではテキサスビースのハンバーガーなどの伝統的なローカルメニューが、ワイルドなサイズと味で楽しめる。インテリアから小物まで雰囲気たっぷりの店内で、ゆったりとした時間を過ごすのがお勧めだ。

 

ストックヤード2

ストックヤードのストックとは「ライブストック(家畜)」のことで、この地区の中心部にはかつて興隆を極めた「ライブストック・エクスチェンジ(家畜取引所)」の堂々とした建物が残っている。また、並びに建つロデオ専用の大型スタジアム「カウタウン・コロシアム」では今も定期的に競技が開催され、地域から、全米から、そして世界中からファンを惹きつけている。内部の競技フィールドに敷き詰められた土の匂いがとてもリアルで、そこからもロデオの迫力を感じることができる。歴史や観光重視の施設だけでなく、ここには古くから引き継がれ現在もリアルタイムで人々を魅了する文化が生きているのだ。