2018年8月9日朝。テルアビブ最後日。宿のバルコニーで朝のコーヒーを飲む。朝は涼しくて快適。そしてこのお宿も古いけれど落ち着いた内装でとても快適だった。今日はもう少し南の都市,エイラートへ飛行機で旅立つ。

お宿のラウンジ:建物は古めかしいがさすがイスラエル,ネット環境はサクサク。これを見るとバックパッカー宿も悪くないと思えませんか?

昨日と同じルートでバス停に向かう途中,野菜を買った八百屋のお兄さんが私を覚えてくれていて,挨拶してくれた。東アジア人が全然いないので目立っていたのもあるだろうけど,こんな素朴なイスラエル人,好きだわ。バスに乗りHaHagana駅へ。駅から空港行きの列車に乗ろうと電光掲示板を見たけれど,それらしき列車が見当たらない。よほど困った顔をしていたのか,お兄さんが助け舟を出してくれた。でも,お兄さんもおや?という顔。慌てて駅員さんに聞いてくれ,どうやら今日から1週間は空港までの列車がないらしい。
空港に行くにはタクシーしかないという。親切なこのお兄さんはおおよそのタクシー料金も教えてくれて(つまり私がボられないように),慌ててタクシーに乗り込む。やっぱり海外は何が起こるかわからない。かなり早めに宿を出て正解だった。確かに列車は止まったけど,イスラエル人の優しさに触れられて,お財布は痛いけれど旅らしくなったと,むしろ清々しい気分。

今日は木曜日。イスラエルでは金曜午後から土曜日没まではシャバットというユダヤの安息日になってしまうので,その前に移動しようと計画したわけだ。行き先はエイラートというイスラエルの中でも屈指のリゾート地。しかも8月ということで,空港は週末をリゾートで楽しもうとするイスラエル人の家族連れがほとんどだった。
そんなほのぼのとした空港の雰囲気にもかかわらず,私だけ搭乗のセキュリティチェックが異様に厳しかった。イスラエルの出国は厳しいとは聞いていたけれど,まさか国内線でこんなに厳しいなんて。すべての荷物は開封,お財布の中身も全部出す。ボディチェック,質問攻めなどなど。2005年のロンドンテロで出入国した時のようなすべての人を明らかに疑うような嫌な雰囲気ではなく,「ごめんね仕事だから」というスタッフの申し訳なさが感じられたからまだよかった。
イスラエル人以外の搭乗者が私しかいなかったらしく,むしろ優先的に搭乗口に行かせてくれたのでよかったのかもしれない。家族連れが多いせいか,搭乗前にはタラップで記念撮影をしたり,機内も子供のはしゃぐ声,着陸時も拍手が起きるなど,セキュリティチェック以外はとてもアットホームなフライトだった。

アルキア・イスラエル航空843便:写真撮影で列が全然進みませんよ!家族連れのウキウキ感が伝わってくる

テルアビブ,ベン・グリオン空港から1時間ほどのフライトで13時ごろにエイラート空港に到着。とても小さな空港で,空港のすぐ後ろにはヨルダンとの国境,アカバボーダーがある。昨夜のJazzライブで会ったおじさんに,エイラートはすごい暑いから気をつけろと言われていたのだけれど,今年の東京の夏は死ぬほど暑かったし,テルアビブの暑さくらいは余裕と思っていた。がしかし,着いてみたら,想像を超える暑さ。いや,熱さ。アジアの暑い国々には何度となく行っていたし,暑いのは割合慣れていたつもりだったが,暑さの質がまったく違う。焼ける,焦げる,死ぬ。そんな暑さだ。日陰はもちろん日向より涼しいが,風が熱い。熱風とはこのことだ。だから日陰でも耐えられない。

エイラート空港:本当に小さな空港。すぐ後ろにヨルダン国境があるとは思えない

空港から10分ほど歩いたところに宿がある。スーツケースを引きずり,Googleマップを見ながら歩く。あまりの暑さにiPhoneのバッテリー消耗が激しい。iPhoneが壊れるんじゃないかと思って,途中から使うのをやめた。酷暑の中をどうにか宿へ辿りつく。日本人が来るなんて珍しいよ〜と言いながら,お宿の人もすぐに水を出してくれた。こんな真っ昼間に出歩くのは観光客くらいなのだろう。早速部屋に入れてもらって,涼む。窓がない部屋で最初はヤダなと思ったけど,窓がない方が涼しいということに後から気づく。

宿から徒歩5分程度のところ:乾いた大地しかない。暑すぎてほとんど撮影ができなかった

そう,ここはまさに中近東。テルアビブとはずいぶん雰囲気が違う。すぐそこのアカバ湾からはヨルダン,サウジアラビア,エジプトが見える。イスラエルから多くの宗教が生まれたのは地政学的なこと,そしてこの暑さからじゃないかと思わずにはいられない。炙るような太陽の光,湿度のない熱さは人間に命の意味を考えさせるんじゃないだろうか。水はどこにあるのか,いつ死ぬのか,このまま生きられるのか。自然や水が豊かなアジアでは考えられない過酷さだ。おそらく常に生死が表裏一体。生きることだけを考えざるを得ない。そうなると宗教という心の拠り所が必要になる。そんなことなのではないだろうか。もちろんアジアにも宗教はあるけれど,事情があまりにも違いすぎる。イスラエル旅行を計画したとき,エイラートはちょっと遠いので迷ったのだけれど,これを感じることができただけでも選んで正解だった。

宿で水を飲んで息を吹き返し,お腹も空いたのでシャバット前の買い出しと腹ごしらえをするために出かけることにした。やっぱり暑い。暑すぎたしお腹が空きすぎだったので,すぐ近くのパン屋に入る。窯焼きピザやパイも売っていて,イートインもあって美味しそう。パイを頼んだら,その場で焼いてくれて10分くらいかかったけど,とても美味しいパイが食べられた。パン屋を出て歩くと,もう空港すぐ近くのショッピングモールになる。そう,空港から宿まで,距離はたいしたことないのだ。暑すぎてたくさん歩けないだけ。モール内にあるスーパーで,数日分の食料の買い出しをする。インスタントラーメンも念のため買っておく。冷えた食品が煮えてしまわないように,慌てて宿に戻ると同室にはフランス人女性がいた。
彼女からいろいろ情報収集。どうやら彼女はエイラートにスキューバダイビングとスカイダイビングをしにきたらしい。空港後ろの海岸沿いはライブをやっている店もたくさんあるとのこと。「ヨルダンにも行こうかなー,どうしようかなーっ」と彼女はとっても楽しそう。その場で旅プラン考えるのは世界共通あるある,だよねと彼女を見ていて思った。

宿で自炊の晩ご飯も食べ,陽が沈んだことだし,海岸沿いのリゾートエリアに歩いて行くことにした。日が沈んだらさすがに涼しくなるだろうと思ったのが甘かった。19時現在,気温38℃。暑い思いをして来た割にはショッピングモールがドーンとあって,ドバイかよ!と言いたくなるような商業エリア(ドバイ空港を思い出した)。ライブと言っても,私の聴きたいような音楽はなさそうなのですぐに退散することに。そうか,エイラートはこういうリゾートだったのかと少々残念。

いかにもリゾート地のモール:途中途中で涼めるのが利点

リゾート風ビーチ:サウジアラビア,エジプト,ヨルダンがすぐそこにあるとは思えない

でも,明日は今回の一番の目玉,イルカさん!

2018年8月9日朝。テルアビブ最後日。宿のバルコニーで朝のコーヒーを飲む。朝は涼しくて快適。そしてこのお宿も古いけれど落ち着いた内装でとても快適だった。今日はもう少し南の都市,エイラートへ飛行機で旅立つ。

お宿のラウンジ:建物は古めかしいがさすがイスラエル,ネット環境はサクサク。これを見るとバックパッカー宿も悪くないと思えませんか?

昨日と同じルートでバス停に向かう途中,野菜を買った八百屋のお兄さんが私を覚えてくれていて,挨拶してくれた。東アジア人が全然いないので目立っていたのもあるだろうけど,こんな素朴なイスラエル人,好きだわ。バスに乗りHaHagana駅へ。駅から空港行きの列車に乗ろうと電光掲示板を見たけれど,それらしき列車が見当たらない。よほど困った顔をしていたのか,お兄さんが助け舟を出してくれた。でも,お兄さんもおや?という顔。慌てて駅員さんに聞いてくれ,どうやら今日から1週間は空港までの列車がないらしい。
空港に行くにはタクシーしかないという。親切なこのお兄さんはおおよそのタクシー料金も教えてくれて(つまり私がボられないように),慌ててタクシーに乗り込む。やっぱり海外は何が起こるかわからない。かなり早めに宿を出て正解だった。確かに列車は止まったけど,イスラエル人の優しさに触れられて,お財布は痛いけれど旅らしくなったと,むしろ清々しい気分。

今日は木曜日。イスラエルでは金曜午後から土曜日没まではシャバットというユダヤの安息日になってしまうので,その前に移動しようと計画したわけだ。行き先はエイラートというイスラエルの中でも屈指のリゾート地。しかも8月ということで,空港は週末をリゾートで楽しもうとするイスラエル人の家族連れがほとんどだった。
そんなほのぼのとした空港の雰囲気にもかかわらず,私だけ搭乗のセキュリティチェックが異様に厳しかった。イスラエルの出国は厳しいとは聞いていたけれど,まさか国内線でこんなに厳しいなんて。すべての荷物は開封,お財布の中身も全部出す。ボディチェック,質問攻めなどなど。2005年のロンドンテロで出入国した時のようなすべての人を明らかに疑うような嫌な雰囲気ではなく,「ごめんね仕事だから」というスタッフの申し訳なさが感じられたからまだよかった。
イスラエル人以外の搭乗者が私しかいなかったらしく,むしろ優先的に搭乗口に行かせてくれたのでよかったのかもしれない。家族連れが多いせいか,搭乗前にはタラップで記念撮影をしたり,機内も子供のはしゃぐ声,着陸時も拍手が起きるなど,セキュリティチェック以外はとてもアットホームなフライトだった。

アルキア・イスラエル航空843便:写真撮影で列が全然進みませんよ!家族連れのウキウキ感が伝わってくる

テルアビブ,ベン・グリオン空港から1時間ほどのフライトで13時ごろにエイラート空港に到着。とても小さな空港で,空港のすぐ後ろにはヨルダンとの国境,アカバボーダーがある。昨夜のJazzライブで会ったおじさんに,エイラートはすごい暑いから気をつけろと言われていたのだけれど,今年の東京の夏は死ぬほど暑かったし,テルアビブの暑さくらいは余裕と思っていた。がしかし,着いてみたら,想像を超える暑さ。いや,熱さ。アジアの暑い国々には何度となく行っていたし,暑いのは割合慣れていたつもりだったが,暑さの質がまったく違う。焼ける,焦げる,死ぬ。そんな暑さだ。日陰はもちろん日向より涼しいが,風が熱い。熱風とはこのことだ。だから日陰でも耐えられない。

エイラート空港:本当に小さな空港。すぐ後ろにヨルダン国境があるとは思えない

空港から10分ほど歩いたところに宿がある。スーツケースを引きずり,Googleマップを見ながら歩く。あまりの暑さにiPhoneのバッテリー消耗が激しい。iPhoneが壊れるんじゃないかと思って,途中から使うのをやめた。酷暑の中をどうにか宿へ辿りつく。日本人が来るなんて珍しいよ〜と言いながら,お宿の人もすぐに水を出してくれた。こんな真っ昼間に出歩くのは観光客くらいなのだろう。早速部屋に入れてもらって,涼む。窓がない部屋で最初はヤダなと思ったけど,窓がない方が涼しいということに後から気づく。

宿から徒歩5分程度のところ:乾いた大地しかない。暑すぎてほとんど撮影ができなかった

そう,ここはまさに中近東。テルアビブとはずいぶん雰囲気が違う。すぐそこのアカバ湾からはヨルダン,サウジアラビア,エジプトが見える。イスラエルから多くの宗教が生まれたのは地政学的なこと,そしてこの暑さからじゃないかと思わずにはいられない。炙るような太陽の光,湿度のない熱さは人間に命の意味を考えさせるんじゃないだろうか。水はどこにあるのか,いつ死ぬのか,このまま生きられるのか。自然や水が豊かなアジアでは考えられない過酷さだ。おそらく常に生死が表裏一体。生きることだけを考えざるを得ない。そうなると宗教という心の拠り所が必要になる。そんなことなのではないだろうか。もちろんアジアにも宗教はあるけれど,事情があまりにも違いすぎる。イスラエル旅行を計画したとき,エイラートはちょっと遠いので迷ったのだけれど,これを感じることができただけでも選んで正解だった。

宿で水を飲んで息を吹き返し,お腹も空いたのでシャバット前の買い出しと腹ごしらえをするために出かけることにした。やっぱり暑い。暑すぎたしお腹が空きすぎだったので,すぐ近くのパン屋に入る。窯焼きピザやパイも売っていて,イートインもあって美味しそう。パイを頼んだら,その場で焼いてくれて10分くらいかかったけど,とても美味しいパイが食べられた。パン屋を出て歩くと,もう空港すぐ近くのショッピングモールになる。そう,空港から宿まで,距離はたいしたことないのだ。暑すぎてたくさん歩けないだけ。モール内にあるスーパーで,数日分の食料の買い出しをする。インスタントラーメンも念のため買っておく。冷えた食品が煮えてしまわないように,慌てて宿に戻ると同室にはフランス人女性がいた。
彼女からいろいろ情報収集。どうやら彼女はエイラートにスキューバダイビングとスカイダイビングをしにきたらしい。空港後ろの海岸沿いはライブをやっている店もたくさんあるとのこと。「ヨルダンにも行こうかなー,どうしようかなーっ」と彼女はとっても楽しそう。その場で旅プラン考えるのは世界共通あるある,だよねと彼女を見ていて思った。

宿で自炊の晩ご飯も食べ,陽が沈んだことだし,海岸沿いのリゾートエリアに歩いて行くことにした。日が沈んだらさすがに涼しくなるだろうと思ったのが甘かった。19時現在,気温38℃。暑い思いをして来た割にはショッピングモールがドーンとあって,ドバイかよ!と言いたくなるような商業エリア(ドバイ空港を思い出した)。ライブと言っても,私の聴きたいような音楽はなさそうなのですぐに退散することに。そうか,エイラートはこういうリゾートだったのかと少々残念。

いかにもリゾート地のモール:途中途中で涼めるのが利点

リゾート風ビーチ:サウジアラビア,エジプト,ヨルダンがすぐそこにあるとは思えない

でも,明日は今回の一番の目玉,イルカさん!