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タイ・バンコク、寺院に音楽にチャオプラヤー川に: 微笑みの国は「コップンカ~」から

チャトゥチャック市場のウィークエンド・マーケットにて。暑さでバテた身体を癒すのにフレッシュ・フルーツジュースはマスト!

チャトゥチャック市場のウィークエンド・マーケットにて。暑さでバテた身体を癒すのにフレッシュ・フルーツジュースはマスト!

「若いうちにタイに行け!」というキャッチコピーのCMが昔あったような気がするが、もう若くないのに行っていなかった国、タイ王国。たまたま用事ができてやっと行くことができた。
東南アジアで唯一、欧米列強に占領されたことがなく、経済的にも優等生。でも2011年には大洪水があり、2014年には軍事クーデター、なのに国家元首は国王で仏教国。タイをよく知らない日本人からすると摩訶不思議な国にしか思えない。

午後着の飛行機でバンコク・スワンナプーム国際空港に到着。エアポートレイルリンクを使って市内へ向かう。まず電車に乗った瞬間、その静けさに驚いた。ほかのアジアの国々のような騒々しさがまったくない。「微笑みの国」の意味が到着早々わかったような気がした。

BTSスクムウィット線のトンロー駅近くの安宿にチェックインして、早速友人との待ち合わせ場所へ。BTSシーロム線のサパーン・タークシン駅からチャオプラヤー川の水上を運航しているボートに乗って向こう岸のレストランへ。

友人からバンコクは交通渋滞が激しく、水上交通が市民の足になっていること、ボートの乗り方、バンコクの概要等をレクチャーしてもらった。いつも行き当たりばったり旅行でガイドブックもろくに読まずに来てしまう私にとって、こういう情報は非常にありがたい。東南アジアのむっとするような湿度と熱気を感じつつ、チャオプラヤー川の夜景を眺めながらビールを飲む幸せ。
バンコク初日の食事を楽しんだ後は、お約束のライブを聴きにJazz & Blues Pub Saxophoneへ。広い店内の2階席に案内された。老舗ということで客層も年配の人が多いのかと思ったら欧米人とタイの若者がほとんどで、バンコクの夜を楽しもうという熱気が感じられる。今夜はタイ人のブルースバンドの演奏だった。メンバーは全員男性でツインギター&ボーカルなんて珍しい。ハスキーで迫力あるボーカルと繊細で突き抜けるような声のボーカルが対照的でなかなか面白い。ミュージックチャージもなく、ふらっと気軽に立ち寄れる雰囲気なので、お酒を一杯ひっかけながら演奏を数曲聴いて帰ることもできそうな店だった。今回もきっと良い旅になりそう!初日夜からバンコクを堪能してしまった。

翌日、昨日せっかく教わったのだから、ボートの乗り方を復習しつつ観光しようと思い、ボートで行くのに最適な王宮周辺を散策することにした。

怒られそうだが、名所旧跡にまったく興味のない私。でも折角タイに来たのだから一つくらい寺院を観てもいいだろうという軽い気持ちで選んだのがワット・ポー。金ぴかの巨大な寝釈迦仏がいるなんて珍しいなあ、という単なる興味本位で選んだのだが、寝仏様のお顔を観た瞬間、胸がキューンとなってしまった。「無知は罪なり」を思い知らされた瞬間だった。

バンコク三大寺院の一つワット・ポーにはこの寝仏だけでなく、多数の仏像も鎮座している。柔和な顔、少し気難しそうな顔、悲しそうな顔……仏像一体一体が個性的で全部観るには時間が足りないくらいだ(すっかり仏様の顔に魅了されている自分に気づく……)。

寺院内にはラーマ1〜4世を表すという仏塔もあり、カラフルで繊細なタイルの装飾と天に向かって突き刺すような様式の建築が非常に美しい。

ワット・ポーが予想外に素晴らし過ぎて、ここでかなりの時間を費やしてしまった。寺院を観るのもかなり満足し、さて次に何をしようかと考えたとき、ガイドブックでふと目についたのがワット・マハータートで瞑想教室をやっているという情報。行かねば!

暑さの中、トボトボとかなりの距離を歩いて(普通の日本人はタクシーに乗ると思うんだけど)、やっとワット・マハータートに到着。この寺院は観光客向けになっていないので、中に入っても何の案内もない。広い境内のどこで瞑想教室をやっているのか、申込みはどうしたらいいのかちっともわからない。境内をウロウロしていたら掃除のおじさんがいたので聞いてみると、そこを右に曲がったセクション16だという。しかし……無い。さらにウロウロして学校風の建物を発見したので、とりあえず聞いてみる。ここも瞑想教室ではないらしく、セクション5に行けと言われた。やっとみつかったセクション5の入り口。Center Meditationと書いてある。

中に入ると英語がほとんど話せない僧侶が一人。英語を話せる僧侶が来るからもう少し待てと言われ、待つこと15分。やっとここのシステムを教えていただいた。
どうやら瞑想教室(無料)は午後1〜3時、夕方6〜8時の1日計2回あるらしく、私がここに到着したのは午後1時半。残念、間に合わなかった。仕方なく夕方6時の教室に参加することにした。特に申込みは必要なく、時間前に来ればよいだけとのこと。

奥では読経とともに瞑想やお祈りをしている現地の人々がいた。誰でもウェルカムな雰囲気、建物内が涼しいこともあって、僧侶の説明が終わった後も瞑想の情景をぼんやり眺めていたら、ドイツ人の青年が駆け込んで来た。どうやらバックパッカーで世界中を旅しているらしい。先ほどの僧侶にいろいろとお願いをしていた。こちらに1週間くらい滞在させてもらえないか、もちろん瞑想を習いたい、etc。なるほど、宿代節約のためにこういう手もあるのかと妙に感心してしまった。

さて、夕方の瞑想教室までこの付近で時間を潰さねばならない。近くの国立美術館は残念ながら休館日。でもその近くにバックパッカーの聖域というカオサン通りがある。カオサン通りへつながる裏道にムエタイのジムがあるらしいので、あえてそこを通って行くことにした。おそらく普通の観光客は通らない、正直清潔とは言えない裏通りを行くと、ムエタイの練習をしている音と声が聴こえてきた。手足がキックミットに当たる音、トレーナーの気合いの声、そしてボクサーたちの迫力ある技と空気感に格闘技のことはまったくよくわからない私でも釘付けになった。ボクサーたちは欧米人が多く、奥には女性のボクサーもいた。ムエタイを学びに世界中からさまざまな人が集まってきているようだ。

しばらくムエタイ練習見学を楽しみ、狭い通りをさらに奥に行き、行き止まったところにある階段を登りレストランとなっている建物内を通過するとカオサン通りに出た。急に繁華街に出たので少々面食らった。

タイの若者が集まるというカオサン通りはいかにも東南アジアの繁華街っぽい雰囲気で、今時風のお店が並んでいた。品質はまったく保証されないであろうギターショップの前で肩を揉んでいる人がいたり、こういうアジアの猥雑さも楽しい。

カオサン通りを通り抜け突き当たった通りを北上するとワット・ボウォーンニウェートという寺院があった。観光客は少なく、地元の人々が多い。そんな素朴な寺院を観るとタイ人にとって仏教がいかに身近な存在なのかというのが伝わってくる。本殿の仏像は本当に神々しく美しく、タイに来る前は金ぴかで派手過ぎるタイの仏像ってどうなんだろう? と思っていた自分の浅はかさを反省してしまった。外には弦楽器の神様と思われる仏像(?)もあり、趣味のギターが上達するようよーくお祈りをした。

さて、そろそろ瞑想教室のあるワット・マハータートの方に戻らねばと賢くタクシーを使って到着。その前に腹ごしらえと思い、屋台でもいいから何か食べ物屋がないかと寺院の周辺をウロウロ。怪しい露店が並ぶ小道を抜け、ボート船着場・プラ・チャーン方向へ歩いて行ったら、突然おしゃれなショッピングモールが現れた。あまりの景色の変化に再び面食らってしまった。

ここのおしゃれなテイクアウトのお店で軽く腹ごしらえして、2階のデッキへ行ってみる。ちょうどチャオプラヤー川に沈む夕日を眺めることができた。

バンコクの川辺の景色を堪能した後は、いよいよ瞑想教室へ。ポーランド人女性2人、アメリカ人女性1人、そして先ほどのドイツ人男性が僧侶見習い風の格好になって待機していた。座禅に親しみのある日本人にとって、胡座をかきながら瞑想することはそんなに大変なことではないけれど、どうやら欧米人にとっては一苦労だったらしく、終了後の彼らの反応が面白かった。瞑想教室の詳細を知りたい人はfacebookページ(www.facebook.com/meditationsection5)があるのでこちらをご覧ください。

無事、瞑想教室も終了。すでに大満足だったが、バンコクの夜はまだ終わらない。どうしてもタイのJazzを聴きたくて、実はもう一つJazzバーをリサーチしておいた。プラ・アーティット通り沿いにあるJazz Happens Barへ。ここもミュージックチャージはなく、シンハービールを飲みながら目の前の演奏を楽しんだ。

1stステージはタイ人バンド。女性ボーカル2人が交替で歌っていた。ここも客層が若いだけでなく、ミュージシャンが若いのに驚いた。アジア人特有のハスキーで初々しいボーカルがとってもキュート。

2ndステージは国籍ごちゃ混ぜ、欧米人がメインのバンド。ピアノが電子なのを感じさせないくらいのすばらしい演奏だった。途中からトロンボーン、トランペットも入って小さな店内に美しい音色が響き渡る。最後にはタイ人女性ボーカルも入り、日本では味わえないインターナショナルなサウンドのJazzを聴くことができた。

バンコク滞在最終日。予想外に寺院が気に入ってしまいボート乗り方にもすっかり慣れたので、帰りの飛行機に間に合うギリギリの時間まで市内観光をした。プラ・ラーム・ペーという何もない船着場から、迷いに迷って現地の人に道を聞きながらワット・イントラウィハーンの巨大な立仏像を観に行った。

でもタイは仏教だけでなくアニミズムのピー信仰やヒンズー教の祠もある。チットロム駅からすぐ、伊勢丹前にあるプラ・トリームールティとプラ・ピッカネートでは雨にもかかわらず祈っている人がいた。

そしてここからすぐ近くにあるエーラーワンの祠ではタイ伝統舞踊を観ることができた。舞踊が祈祷の役割をしているようだ。本来、舞踊とは単なる見せ物ではなく神事なのだと再認識した。

実はこの祠では数ヶ月前にテロによる爆破があったらしい。にもかかわらず熱心に祈る人々の姿がここにもあった。

最後にタイの日常風景を。

東南アジアで経済が一番発展しているタイだが、古いものと新しいものがうまく共存し、様々な人、動物も無理せずゆるやかに暮らしている印象を受けた。優しく「コップンカ〜」(ありがとう)と言ってしまえば許されるような、悪く言えばテキトー、よく言えばおおらかさがタイにはあった。

バンコクだけでなくほかの町にもいつか行ってみたい!
タイ・バンコク小旅行、コップンカ〜!


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