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情緒ある景観を眺め、素材の良さを生かした食を堪能-小樽

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「札幌に行くなら、時間があれば小樽に行くと良いよ、美味しい物が沢山あるから」
今回札幌に行くことを告げると、複数の友人から小樽に行くことを勧められていた。
ライブとモエレ沼公園に行ったことで精神的にはかなり満たされていたが、せっかくなら美味しいものを食べたい。札幌では選択が悪かったのか、あまり満足できる食事ができなかった。2日目の夜に小樽を調べてみて、景観もよさそうだったので、最終日は小樽に行くことにした。滞在できる時間は、10時着として約5時間。札幌を出る前にコーヒーだけを飲んで、電車に乗る。最初の目的地である「堺町通り」に近い南小樽駅で降りる。駅を左に出て急な坂を下っていき、堺町通りへ向かった。

坂を下って大きな交差点に出ると、大量の人出。ほとんどが中国人観光客と、修学旅行生の集団が混ざっている。傘のカラフルさから、日本人ではないのがわかる。堺町通りは小樽の中でも、ルタオ、六花亭を初めとしたスイーツショップや、小樽ガラスのお店等が通り沿いに並ぶ、お土産購入やお茶を楽しめる、小樽のメインストリート。私がまず行きたかったのは六花亭。目的は、直営店舗限定のソフトクリームを食べること。六花亭のマルセイバターサンドやストロベリーチョコ等を何度か北海道土産として頂いたことがあるが、どれも素朴ながら洗練された味わいのお菓子が多い。そのお店が出すソフトクリームとなれば期待がもてる。2種類あるソフトクリームのうちから「雪やこんこ」というお菓子を添えた、シンプルなソフトクリームを選んだ。

一見何の変哲もないソフトクリームだけれど、過去食べた中でも、上位に入るおいしさ。甘さもしっかりと感じるが、甘みよりも乳の風味やフレッシュさが前に出ている味わいで、すっとお腹におさまるけれど、口の中に心地よさが残る。シュークリームは後で頂いたのだが、シュー皮と中のカスタードが調和したさっぱりとして味わいで、こちらも好きな味だった。イートインスペースは簡易的な作りながら気楽にくつろげて、お菓子やソフトクリームを購入すると、サービスのコーヒーがいただけたりと、散策中の一休みにはぴったりな場所だ。

お昼はお寿司を食べることにしていたので、腹ごなしに付近を散策。

小樽といえば運河の街として有名だけれど、周辺の建物も景観に影響が出ないように、量販店や郵便局も落ち着いた色合いのモダンなデザインになっていて興味深い。観光地以外にも景観を気にする街が増えると嬉しい。
ぶらぶらしていると、小樽運河が見えてきた。大正時代から戦後まで、北海道開拓の玄関口として荷物を運ぶための水路として発展していたそうだが、時代のニーズに伴いその役割は終わりを告げたそうだ。埋立論争の末、1986年(昭和61年)に整備されて散策路と道路ができ、今は観光スポットの一つとなっている。

運河沿いではクルーズも楽しめるらしく、中国人観光客が大勢で乗っていた。雨が降ったあとのせいなのか水がかなり濁ってはいたが、ふらりと散策するには情緒も感じられる場所。夜にライトアップされる所も見てみたいなと思った。

ぶらぶらしていたらお昼近くになったので、小樽駅方面に向かい、気になっていた寿司店へ向かう。前日にグルメサイトを見ていて幾つか検討した中から選んだお店。決めてはなんといっても、料理写真が観た中では一番おいしそうに見えたのがこの「魚真(うおまさ)」

カウンターに通され、上寿司を注文。握りと土瓶に入ったお澄ましのセット。
ネタは厚みがあり、シャリも多すぎず、口にいれるとスッと食べられる。隣の男性はおそらく特上を食べていたのだが、更に特上を一皿頼んでいたくらい、どんどんお腹に入ってしまう。添えられたおすましも、海老や椎茸が浮かんだ上品ながらほっとする味わい。食べ終わった後にお酒を一杯飲みたくなったが、どんどんお客さんが入ってくるので、サッと会計を済ませて、近くのコンビニで梅酒を買って、ちびちび飲みながら、もう一度堺町通りに戻る。

堺町通りには「ルタオ」が数店舗あり、チョコレートメイン、創作デザートメインとバラエティに富んだ展開をしている。前述の六花亭と並んで、かなり有名かと思うが、今回は友人お勧めの「本店でしか食べられない、生ドゥーブルフロマージュ」と季節の紅茶のアイスティーを頂く。東京のデパート等で売っているドゥーブルフロマージュは冷凍してあるので、フレッシュなタイプは本店でしか味わえないそうだ。チーズの濃厚さは感じるものの、口どけがよく、食後感は軽やかな印象。紅茶も果物の香りがふわりと広がりながら、苦みやえぐみのないさっぱりとした味わい。

ドゥーブルフロマージュを堪能した後は、少し早足で小樽駅へ。歩き疲れたのか、新千歳空港までの電車内では熟睡してしまった。正味5時間の滞在のため「青の洞窟」等見逃した部分は多々あるが、街の雰囲気を感じ、美味しい食べ物を堪能することができた。

新千歳空港は大量の人で溢れ返っていたが、ささっとお土産を買い、少し厚着にしていた服を着替え(温度差が約10度はあった)、最後にラーメンを食べた。東京にも進出している「えびそば一幻」(いちげん)ここの海老からダシをとったラーメンが大好きなのだが、暫く食べていなかったので選んだ。頼んだのは「海老しお・そのまま」。元々海老好きなので、少し濃厚さは強いけれど、外れのない美味しさ。

旅の終わり。飛行機の発着が遅れるというトラブルにはあったものの、窓から見えた景色が綺麗だったのでよしとする。北海道滞在中はずっと雨に降られたが、今度は快晴の空の下で、気ままに散策できればと思う。


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