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土佐の日曜市  規模も歴史も日本一!“元気になれる”街路市

土佐の日曜市

「こじゃんとこうてや!」とおばちゃんの威勢のいい掛け声
きゅうり、トマト、枝豆と、屋台にはところ狭しと朝取りの野菜が並ぶ
温暖で野菜や果物がよく育つ高知は街路市の天国だ
なかでも毎週日曜日の朝、高知城下で開催される「土佐の日曜市」は土佐の殿様が定めたといわれる庶民の生活イベント
その長さは1.3km、400軒以上の店が集まる日本一の街路市だ

さまざまな店が延々と続く日曜市。野菜、果物から水産物、乾物、漬物、植木、苗木、古物に至るまで、驚いたり感心したりで見学するだけでも勉強になる     Photo=佐々木龍

出店者400軒以上。朝だけでは回りきれない日曜市

土佐の日曜市の起源は古く江戸期の1690年、土佐藩第4代藩主・山内豊昌公の時代。藩の政策として始まった市が明治期になって日曜市と呼ばれるようになった。

今や高知の観光名物としても知られる日曜市の魅力は、なんといっても農産物などの市内生産者が直接売り手として消費者と取引をするスタイル。早朝5時には朝取りした野菜や果物が店頭に並び、どこよりも新鮮な状態で手に入れることができる。

店を切り盛りするのは「はちきん」と呼ばれる60代から70代の元気な土佐のおばちゃんたち。中には80代後半の現役おばあちゃんもいる。

みな総じて気前がよく、試食はもちろんおまけをしてくれたり、食べ方や調理法を親切におしえてくれる。都会のスーパーやコンビニにはない触れ合いに時間がたつのを忘れてしまう。

日曜市には野菜中心の農産物店が多いが、鮮魚以外の干物などを扱う海産物店も並ぶ

収穫した作物の出来ばえを説明するおばちゃんは野菜の先生

露地栽培のキュウリをはじめ珍しいウリ系の高知産野菜を並べるお店もある

居食屋 吉照 日曜市の野菜が食べられる店

左:「イタドリ(山菜)と天ぷら(さつま揚げ)の油炒め」  右:高知特産の旬のタケノコ料理「マダケの塩煮」

市に隣接する屋内マーケット「ひろめ市場」では高知名物の庶民グルメが味わえる。ここのメニューも多くは日曜市で仕入れた新鮮野菜を使用。

住:高知県高知市帯屋町2-3-1 ひろめ市場
電:088-802-3270
営:12:00~23:00(14:00~17:00休憩)
休:月曜日

特産のフルーツ

珍しい小玉スイカの仲間「ハチキン」と「金の卵」を発見

日曜市で見かける特産果物には「文旦」「小夏」などの柑橘系に加えて夏はスモモが旬。ソルダムやサンタローザなども甘くて美味い

高知産野菜

高知のキュウリはでかい。白ウリ、黒ウリ、縞ウリなど種類も多彩

高知は日本一のショウガ生産地。夏は新ショウガに加えてモチモチとした食感の昔ながらのとうもろこし「もちきび」などが並ぶ

街路市は日曜だけじゃない!

ドラム缶窯で焼いたオーガニック野菜ピザが人気商品

街路市がさかんな高知では小規模だが「火曜市」「水曜市」「木曜市」「金曜市」「土曜市」が連日市内で市が開かれている。

地元土佐のおばちゃんたちは朝から元気いっぱい

安くて新鮮な朝取り野菜はもちろんだが、日曜市巡りのお楽しみはそれだけにとどまらない。旬の地元食材を加工した食品にも大いに心が躍る。タケノ コ、山菜、コンニャクなどを柚子酢の酢飯で握った「田舎寿司」や土佐の発酵茶を使って焼いた「碁石茶パン」、高知産ショウガの煮汁と砂糖で作った「冷やし あめ」などどれも興味深々。

出店数430店。道沿いに店が延々と並ぶため、1丁目から7丁目までブロック分けされ、それぞれに店番号が付いている。客はその番号をたよりに目当ての店を探す。

歩いているうちにあれもこれもと欲しくなってたちまち両手の買い物袋がいっぱいになってしまうが、心配ご無用。日曜市には宅配便荷受所や無料の貸し出しカートまであるのだ。

本物のお寿司みたいやろ

タケノコなどを握り寿司風にした「田舎寿司」は日曜市名物

成長に合わせて一週間ごとに収穫して朝市に出す

日曜市の名物 芋けんぴ

芋けんぴのルーツを発見。なんともとは小麦粉で作った郷土菓子だった

左: ひろめ市場で見かけた巨大な芋けんぴタワーに仰天 右:土佐名物の芋けんぴはさつまいもを揚げて砂糖をからめた菓子。塩けんぴやショウガけんぴなどがある

日曜市の名物 碁石茶

高知の山間部大豊町で唯一作られる碁石茶は幻のお茶ともいわれる緑茶を発酵させた珍しい健康茶だ

碁石茶の粉をパン生地に混ぜて焼いた「碁石茶パン」

日曜市の名物 いも天&冷やしあめ

いも天はさつまいもに秘伝の生地をまぶして揚げた芋の天ぷら。いつも行列のできる日曜市の一番名物

冷やしあめはショウガと砂糖で作った土佐の夏の健康飲料

吉平商店の冷やしあめは濃縮瓶詰めでも購入可能

日曜市の名物 くじらのナイフ

左: 鉈、斧、剪定ばさみなどが並ぶ刃物店。高知は伝統工芸品「土佐打ち刃物」の産地としても知られる  右:観光土産として人気のあるカワイイくじらのナイフ

日曜市の食材が食べられる店 大衆割烹 ときわ

高知城に近い宵まち横丁にある居酒屋料理店。日曜市で仕入れた旬の食材を活かした土佐料理は絶品。地元だけでなく事情通の観光客にも人気

左: 今が旬の土佐料理「カツオの酢じめ」はときわの自慢メニュー。これを食べに遠方から客がやってくる  右:新ショウガを砂糖で煮詰めた「ショウガのけんぴ」

名物カツオのせんべい

カツオの切り身をたたいて伸ばし油で揚げた創作メニュー。うまい!


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