スローライフが見直されているなか、
レトロな鉄道の旅が注目を集めている。
九州・肥薩線を行くいさぶろう・しんぺい号。
車窓から見える野山の風景が懐かしい。
単線レールの上を懸命に走る姿は子供のように健気だ。
鈍行列車で走るローカル線の旅。これは安全、効率を優先する
現代輸送に対するアンチテーゼである。

いさぶろう・しんぺい号2

列車が標高約537mの急勾配を一気に登る大畑(おこば)駅-矢岳駅間は日本で唯一、スイッチバックとループ線が併用された線路 Photo=佐々木龍

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スローライフが見直されているなか、
レトロな鉄道の旅が注目を集めている。
九州・肥薩線を行くいさぶろう・しんぺい号。
車窓から見える野山の風景が懐かしい。
単線レールの上を懸命に走る姿は子供のように健気だ。
鈍行列車で走るローカル線の旅。これは安全、効率を優先する
現代輸送に対するアンチテーゼである。

いさぶろう・しんぺい号2

列車が標高約537mの急勾配を一気に登る大畑(おこば)駅-矢岳駅間は日本で唯一、スイッチバックとループ線が併用された線路 Photo=佐々木龍

肥薩線で見つけた明治の面影

JR肥薩線。この名前を聞くと知っている人はたいていニヤリとする。トンネルとスイッチバックのループ線がある日本唯一の鉄道線路。肥薩線は鉄道ファンにとっては特別な存在らしい。

九州を縦断するJR線の熊本県・八代駅-鹿児島県・隼人駅を結ぶ約124km。球磨川沿いの八代-人吉間を「川線」、峠越えの人吉-吉松間を「山線」と呼ぶ。

大畑駅

蒸気機関車時代のたたずまいを残す木造の大畑駅

ファンを魅了するのは山線で、人吉から吉松までの高低差430m、35キロ区間にトンネル、ループ線、スイッチバック、そして日本三代車窓など“中身の濃い”山岳路線を楽しむことができる。そのために専用ディーゼル観光列車「いさぶろう・しんぺい号」が走る。

大畑駅2