さて、タンゲリーアにミロンガに、タンゴを十分満喫したのだが、もう一つの目的、アルゼンチンギターを観ていない。タンゲリーアでギター演奏もあったのだが、あくまでも脇役だった。ギターが主役の演奏を観たい。

しかし、アルゼンチンギターの情報が何もない。街をふらついていればきっとぶつかるんじゃないかと甘く考えていた。でもどこにも見当たらない。アルゼンチンはギターが盛んと思っていたのはもしかして日本人の妄想か? と少々諦め気味だった帰国間近の日曜、ガイドブックをつぶさにチェックしていて閃いた。
ドレーゴ広場で日曜骨董市があるらしい。マーケットに行けば路上で何か演奏があるんじゃないか? 猛暑の中、早速タクシー拾って現地へGO。広場に近づくと人がかなり集まっている。そして遠くから生演奏の音が聞こえる。やった、大正解!
広場の中心でアルゼンチンギターの演奏発見!

06

それに合わせてミニスカ履いたおばあさんと酔っ払い風のおじいさんのタンゴダンスのパフォーマンス。タンゲリーアのかっちりとしたダンスもいいけれど、こういうゆるい感じのダンスはアルゼンチン・タンゴが誕生したころの哀愁ある風情を想わせる。

07

ギターの彼らのCDを買ってみた。どうやらトリオで活動しているらしい。てっきりアルゼンチン・タンゴのみの選曲かと思ったら、普通にクラシックギターの名曲、アルハンブラ宮殿の思い出、粉屋の踊り、アストゥリアスなども入っていた。でも演奏がやっぱりアルゼンチン風。バックグラウンドが違うと同じ曲でもこうも違うのかと改めて痛感した。

このストリートをさらに右に行けばまた人だかり。バンドネオンとバイオリンがメインのタンゴ演奏。これにボーカルも入りさらに盛り上がる。明日には教会でライブがあるらしいが、残念、もう帰国の途だ。かわりに彼らのCDも購入。

08

しばらく外にいると暑さに耐えられなくなった。どこかカフェに入りたい、ついでに演奏している店はないかとこのストリートを左へゆく。うふふ、また演奏が聴こえてきた。迷わずその店に入る。

09

今度はバンドネオンとギターのデュオだ。曲調は純タンゴではなく、ちょっとJazzテイストも入っていてとってもおしゃれ。迫力あるギターの低音とバンドネオンの透き通る高音が美しいアンサンブルになっている。暗がりの店内と逆光で見える彼らの演奏がとてもいい雰囲気を出していた。ギタリストの渋い彼がCD販売していたので、迷わず購入。意外にもこのCDが一番アルゼンチン・タンゴらしいCDだった。

さて、涼んだところでもう一度最初の広場前に行ってみた。先ほどのギタリストに替わって、若いお兄さんが一人で弾いている。曲が静かなせいなのか、ダンスがないせいなのか、聴いている人も若干少ない。どうやらクラシックギターの曲ばかり弾いている。とても静かに、でも情熱的に。クラシックギター目線でみたら、十分華やかな演奏だけれど、観光客はもっと派手でわかりやすいほうがお好みなのかもしれない。でもクラックギターの路上ライブなんて日本では観たことがない!私にとっては新鮮!
やはり彼のCDも購入してみた。どうやら彼はアルゼンチンでは有望の若手クラシックギタリスト、Agustin Luna(https://www.youtube.com/watch?v=Y5QxJ1HIJ90)という人だった。購入したのは「Cuerda al aire」というCD。iTunesストア(https://itunes.apple.com/ar/album/cuerda-al-aire/id426206659)では購入できるようだ。

予想外にまとめてギター演奏を堪能でき、ドレーゴ広場前のストリートは私にとってアルゼンチンギター・ストリートになった。アルゼンチン・ギタリストたちはタンゴありきでギターを学んでゆく、当たり前なのだが、だからこそアルゼンチンギターなんだと最後の最後で体感・実感。

 

おわりに。タンゴ発祥の地といわれるボカ地区のカミニートというエリア。こんなカラフルな町並みにBarがひしめき、店の薄暗い片隅で夜な夜な労働者の鬱憤ばらしのためのダンスからタンゴが生まれたといわれている。タンゴのきらびやかさと物悲しさがここから生まれたのが納得できる。

10

アルゼンチン音楽、美しい旋律とちょっと派手なのに哀愁ある感じがとても好き。侘び寂びをおさえてくれているところが日本人の心を揺さぶるのだろうか。

あまり日本人には知られていない、地球の裏側の国、アルゼンチン・ブエノスアイレスの音楽を巡る旅、完。

さて、タンゲリーアにミロンガに、タンゴを十分満喫したのだが、もう一つの目的、アルゼンチンギターを観ていない。タンゲリーアでギター演奏もあったのだが、あくまでも脇役だった。ギターが主役の演奏を観たい。

しかし、アルゼンチンギターの情報が何もない。街をふらついていればきっとぶつかるんじゃないかと甘く考えていた。でもどこにも見当たらない。アルゼンチンはギターが盛んと思っていたのはもしかして日本人の妄想か? と少々諦め気味だった帰国間近の日曜、ガイドブックをつぶさにチェックしていて閃いた。
ドレーゴ広場で日曜骨董市があるらしい。マーケットに行けば路上で何か演奏があるんじゃないか? 猛暑の中、早速タクシー拾って現地へGO。広場に近づくと人がかなり集まっている。そして遠くから生演奏の音が聞こえる。やった、大正解!
広場の中心でアルゼンチンギターの演奏発見!

06

それに合わせてミニスカ履いたおばあさんと酔っ払い風のおじいさんのタンゴダンスのパフォーマンス。タンゲリーアのかっちりとしたダンスもいいけれど、こういうゆるい感じのダンスはアルゼンチン・タンゴが誕生したころの哀愁ある風情を想わせる。

07

ギターの彼らのCDを買ってみた。どうやらトリオで活動しているらしい。てっきりアルゼンチン・タンゴのみの選曲かと思ったら、普通にクラシックギターの名曲、アルハンブラ宮殿の思い出、粉屋の踊り、アストゥリアスなども入っていた。でも演奏がやっぱりアルゼンチン風。バックグラウンドが違うと同じ曲でもこうも違うのかと改めて痛感した。

このストリートをさらに右に行けばまた人だかり。バンドネオンとバイオリンがメインのタンゴ演奏。これにボーカルも入りさらに盛り上がる。明日には教会でライブがあるらしいが、残念、もう帰国の途だ。かわりに彼らのCDも購入。

08

しばらく外にいると暑さに耐えられなくなった。どこかカフェに入りたい、ついでに演奏している店はないかとこのストリートを左へゆく。うふふ、また演奏が聴こえてきた。迷わずその店に入る。

09

今度はバンドネオンとギターのデュオだ。曲調は純タンゴではなく、ちょっとJazzテイストも入っていてとってもおしゃれ。迫力あるギターの低音とバンドネオンの透き通る高音が美しいアンサンブルになっている。暗がりの店内と逆光で見える彼らの演奏がとてもいい雰囲気を出していた。ギタリストの渋い彼がCD販売していたので、迷わず購入。意外にもこのCDが一番アルゼンチン・タンゴらしいCDだった。

さて、涼んだところでもう一度最初の広場前に行ってみた。先ほどのギタリストに替わって、若いお兄さんが一人で弾いている。曲が静かなせいなのか、ダンスがないせいなのか、聴いている人も若干少ない。どうやらクラシックギターの曲ばかり弾いている。とても静かに、でも情熱的に。クラシックギター目線でみたら、十分華やかな演奏だけれど、観光客はもっと派手でわかりやすいほうがお好みなのかもしれない。でもクラックギターの路上ライブなんて日本では観たことがない!私にとっては新鮮!
やはり彼のCDも購入してみた。どうやら彼はアルゼンチンでは有望の若手クラシックギタリスト、Agustin Luna(https://www.youtube.com/watch?v=Y5QxJ1HIJ90)という人だった。購入したのは「Cuerda al aire」というCD。iTunesストア(https://itunes.apple.com/ar/album/cuerda-al-aire/id426206659)では購入できるようだ。

予想外にまとめてギター演奏を堪能でき、ドレーゴ広場前のストリートは私にとってアルゼンチンギター・ストリートになった。アルゼンチン・ギタリストたちはタンゴありきでギターを学んでゆく、当たり前なのだが、だからこそアルゼンチンギターなんだと最後の最後で体感・実感。

 

おわりに。タンゴ発祥の地といわれるボカ地区のカミニートというエリア。こんなカラフルな町並みにBarがひしめき、店の薄暗い片隅で夜な夜な労働者の鬱憤ばらしのためのダンスからタンゴが生まれたといわれている。タンゴのきらびやかさと物悲しさがここから生まれたのが納得できる。

10

アルゼンチン音楽、美しい旋律とちょっと派手なのに哀愁ある感じがとても好き。侘び寂びをおさえてくれているところが日本人の心を揺さぶるのだろうか。

あまり日本人には知られていない、地球の裏側の国、アルゼンチン・ブエノスアイレスの音楽を巡る旅、完。