そんなことをぼんやり考えているとビエンチャン中心部に到着した。不思議なノック・エア国際線体験はこれで終了である。ドライバーであるおしゃれ帽子のお兄さんが満面の笑みで日本語で「サヨナラ〜」と手を降ってくれるので、モヤモヤした気分も吹っ飛ぶ。なるほどこれがインドシナ風の鷹揚さなのかもしれない。
数日間ビエンチャンに滞在するが、ここはかつて欧米の有名なトラベルガイドで「世界で一番ヒマな首都」と表記されていた場所である。正直見どころはあまりないが、訪れた人は皆、街ののんびりとした空気感とラオス人の優しげな表情や立ち振舞に落ち着きとやすらぎを感じるのは間違いない。それこそが最高の「見どころ」なのかもしれない。経済の発展度の割には物価にあまり割安感がないのが気になるが、それでもビエンチャンには欧米人のバックパッカーが多い。東南アジア旅行の最終地点として長期滞在する人も多いのだという。メコン川のほとりの屋台で川面に沈む夕日を見ながら、その穏やかさから、この土地を桃源郷と感じ、魅了される長期旅行者の気持ちが少し分かる気がする。
帰路はビエンチャン・ワッタイ国際空港からバンコク・スワンナブーム国際空港まで、バンコク・エアウェイズの直行便に搭乗する。ワッタイ空港ターミナルはかなりの規模感があり活気がある。のんびりした首都だと言えども、国を代表する空港の面目躍如といったところか。別棟の国内線ターミナルにも発着路線は多く、ラオスが山岳国家であり、現代では航空が重要な交通インフラであることが分かる。
ターミナルの向こうにはラオス国営航空の機体がゆったりと発着しているのが見える。ラオスのもう1社の定期便エアライン、ラオスセントラル航空は2014年の春より運航を停止している。経営上の問題が理由だという。空港ランプの端にエンジンカバーをかけられた同社の機体が駐機しているのがなんとも淋しげである。そしてラオス国営航空のチケットは、特に競合するタイのLCC各社と比べると、少々割高である。インドシナ地域全体の航空産業の競争がこんなところにも影響している。
それでも次回はラオスの航空会社に乗りたいと思う。エアラインはその土地のスピリットを世界に知らしめる、重要な機会と責務と担う存在なのだ。ラオスの航空産業が地域の中で独自の存在感を高め、近い将来、東南アジアの空にラオス流のホスピタリティで一石を投じるなどしてくれたらさらに楽しいと思うのは、一旅人の勝手な願望である。その時には往路に使ったノック・エアの不思議な「国際線」はどうなってしまうのだろうか。なくなっても困る人はあまりいそうにないのだが、交通機関の路線やサービスの変化から世の中の変化を感じるのも、旅の楽しみの一つである。
そんなことをぼんやり考えているとビエンチャン中心部に到着した。不思議なノック・エア国際線体験はこれで終了である。ドライバーであるおしゃれ帽子のお兄さんが満面の笑みで日本語で「サヨナラ〜」と手を降ってくれるので、モヤモヤした気分も吹っ飛ぶ。なるほどこれがインドシナ風の鷹揚さなのかもしれない。
数日間ビエンチャンに滞在するが、ここはかつて欧米の有名なトラベルガイドで「世界で一番ヒマな首都」と表記されていた場所である。正直見どころはあまりないが、訪れた人は皆、街ののんびりとした空気感とラオス人の優しげな表情や立ち振舞に落ち着きとやすらぎを感じるのは間違いない。それこそが最高の「見どころ」なのかもしれない。経済の発展度の割には物価にあまり割安感がないのが気になるが、それでもビエンチャンには欧米人のバックパッカーが多い。東南アジア旅行の最終地点として長期滞在する人も多いのだという。メコン川のほとりの屋台で川面に沈む夕日を見ながら、その穏やかさから、この土地を桃源郷と感じ、魅了される長期旅行者の気持ちが少し分かる気がする。
帰路はビエンチャン・ワッタイ国際空港からバンコク・スワンナブーム国際空港まで、バンコク・エアウェイズの直行便に搭乗する。ワッタイ空港ターミナルはかなりの規模感があり活気がある。のんびりした首都だと言えども、国を代表する空港の面目躍如といったところか。別棟の国内線ターミナルにも発着路線は多く、ラオスが山岳国家であり、現代では航空が重要な交通インフラであることが分かる。
ターミナルの向こうにはラオス国営航空の機体がゆったりと発着しているのが見える。ラオスのもう1社の定期便エアライン、ラオスセントラル航空は2014年の春より運航を停止している。経営上の問題が理由だという。空港ランプの端にエンジンカバーをかけられた同社の機体が駐機しているのがなんとも淋しげである。そしてラオス国営航空のチケットは、特に競合するタイのLCC各社と比べると、少々割高である。インドシナ地域全体の航空産業の競争がこんなところにも影響している。
それでも次回はラオスの航空会社に乗りたいと思う。エアラインはその土地のスピリットを世界に知らしめる、重要な機会と責務と担う存在なのだ。ラオスの航空産業が地域の中で独自の存在感を高め、近い将来、東南アジアの空にラオス流のホスピタリティで一石を投じるなどしてくれたらさらに楽しいと思うのは、一旅人の勝手な願望である。その時には往路に使ったノック・エアの不思議な「国際線」はどうなってしまうのだろうか。なくなっても困る人はあまりいそうにないのだが、交通機関の路線やサービスの変化から世の中の変化を感じるのも、旅の楽しみの一つである。