ターミナルを出ると穏やかな亜熱帯の空気に包まれる。駐車場の向こうの丘の上には、迷彩柄に塗られた背の高い給水塔と、巨大な「風獅爺」が建っているのが見える。これらは島を象徴する2つのテーマだ。大金門島のサイズは小豆島や宮古島を一回り少し小さくした程度。空港は島の中央部にあり、西方向に5キロほど進むと島唯一の市街エリア・金城地区が、その先には小金門島や中国本土・厦門へのフェリー乗り場のある水頭碼頭が続く。気温は20渡前後、春先のような陽気である。普段から旅先を知るには土地を歩くに限ると考えているので、金城までの5キロ、路線バスで20分・NT$12(約40円)の道のりを敢えて歩くことにする。

金門島5

空港周辺はターミナル同様に施設や道路が改修・拡張工事の真っ盛りだ。「小三通」実施から10数年が経ち、観光地として金門島を訪れる人が増加すると同時に、この島を経由して台湾と本土を行き来する人が増加しているという。利用者拡大に伴うリソースの拡充が進められているのだ。空港案内所の女性スタッフが「空港利用者は本土からの観光客が圧倒的に増えている」と話していたことを思い出す。ツアーではフェリーで厦門から島に到着し、島を巡った後、空港から台湾本島に向かうルートが多いという。島には中国沿岸部の大都市で失われてしまった伝統的な文化が残っているそうで、金門島と台湾本島をセットにして伝統的な中国と現代の台湾を体験するのが人気なのだそうだ。逆に、台湾本島の人たちが金門島を観光してからフェリーで厦門に渡り本土を巡るツアーも、定番になりつつあるとのこと。台北・台中の空港より、出入国(越境)手続きが簡単になることも人気の理由だそうだ。台中から機内で一緒になった穏やかな表情の人たちが、少し前まで禁じられていた「観光」を満喫している、双方からの旅行者であったことが今分かる。

金門島6

空港から続く片側2車線の幹線道路には観光客を載せたバスが猛スピードで駆け抜けるが、沿道を一歩入ると背の低い森の中に小さな集落が点在し、それらをゆるやかに結ぶ田舎道が続いている。地図を片手に歩みを進めると、中山記念林という自然公園の入り口に到着。そのビジターセンターの周囲には、どうだ、という感じで台湾軍の歴代の戦闘機や戦車などの重装備が展示してある。自然公園=戦闘機という唐突感はあるが、展示の充実ぶりに思わず見入ってしまう。日本製の高射砲なども置いてあり、東アジアの歴史を思い起こしたりもする。さらに歩みを進めると、途中の民有地にバズーガの砲身を再利用して並べた柵を、交差点に巨大な軍人の銅像を、店舗の迷彩柄のファサードなどを次々と見かける。この島が実にミリタリーテーマにあふれた「ミリタリーテーマパーク」であることを実感する。

金門島7

金門島8

ターミナルを出ると穏やかな亜熱帯の空気に包まれる。駐車場の向こうの丘の上には、迷彩柄に塗られた背の高い給水塔と、巨大な「風獅爺」が建っているのが見える。これらは島を象徴する2つのテーマだ。大金門島のサイズは小豆島や宮古島を一回り少し小さくした程度。空港は島の中央部にあり、西方向に5キロほど進むと島唯一の市街エリア・金城地区が、その先には小金門島や中国本土・厦門へのフェリー乗り場のある水頭碼頭が続く。気温は20渡前後、春先のような陽気である。普段から旅先を知るには土地を歩くに限ると考えているので、金城までの5キロ、路線バスで20分・NT$12(約40円)の道のりを敢えて歩くことにする。

金門島5

空港周辺はターミナル同様に施設や道路が改修・拡張工事の真っ盛りだ。「小三通」実施から10数年が経ち、観光地として金門島を訪れる人が増加すると同時に、この島を経由して台湾と本土を行き来する人が増加しているという。利用者拡大に伴うリソースの拡充が進められているのだ。空港案内所の女性スタッフが「空港利用者は本土からの観光客が圧倒的に増えている」と話していたことを思い出す。ツアーではフェリーで厦門から島に到着し、島を巡った後、空港から台湾本島に向かうルートが多いという。島には中国沿岸部の大都市で失われてしまった伝統的な文化が残っているそうで、金門島と台湾本島をセットにして伝統的な中国と現代の台湾を体験するのが人気なのだそうだ。逆に、台湾本島の人たちが金門島を観光してからフェリーで厦門に渡り本土を巡るツアーも、定番になりつつあるとのこと。台北・台中の空港より、出入国(越境)手続きが簡単になることも人気の理由だそうだ。台中から機内で一緒になった穏やかな表情の人たちが、少し前まで禁じられていた「観光」を満喫している、双方からの旅行者であったことが今分かる。

金門島6

空港から続く片側2車線の幹線道路には観光客を載せたバスが猛スピードで駆け抜けるが、沿道を一歩入ると背の低い森の中に小さな集落が点在し、それらをゆるやかに結ぶ田舎道が続いている。地図を片手に歩みを進めると、中山記念林という自然公園の入り口に到着。そのビジターセンターの周囲には、どうだ、という感じで台湾軍の歴代の戦闘機や戦車などの重装備が展示してある。自然公園=戦闘機という唐突感はあるが、展示の充実ぶりに思わず見入ってしまう。日本製の高射砲なども置いてあり、東アジアの歴史を思い起こしたりもする。さらに歩みを進めると、途中の民有地にバズーガの砲身を再利用して並べた柵を、交差点に巨大な軍人の銅像を、店舗の迷彩柄のファサードなどを次々と見かける。この島が実にミリタリーテーマにあふれた「ミリタリーテーマパーク」であることを実感する。

金門島7

金門島8