そしてデッキから望むランプと滑走路の向こうに燦然と輝くのが「ハンガージジーベン(Hangar-7)」である。「第7ハンガー」の名称がつけられたシェル型のガラス張りの建物で、エナジードリンクのレッドブル社が所有している。オーストリア出身の同社ディートリッヒ・マテシッツ社長の飛行機好きは広く知られており、本業とは別の「趣味」としてさまざまな航空機を所有。ハンガージーベンはそれらの機材の一部の整備、保管、展示などを行う施設となっている。空港敷地内にあるものの空港一般設備ではなく、レッドブル社が直接運営するものだ。

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知人の到着をのんびり待っていると、ゆるやかにレストアされたスーパーコンステレーション(ブライトリング塗装)やDC-6(レッドブル塗装)が飛来し、誘導路から直接ハンガージーベンに吸い込まれていく。空港で最新鋭機の定期便の離着陸を見慣れている目には、それはまるで初夏の午後に見る幻想のようである。ここでしか見られない光景がこのように当たり前にある点で、世界の中でもザルツブルク国際空港は特別な存在である。ちなみにハンガージーベンには一般が無料見学できるエリアもあり、カフェやショップも併設されている。ザルツブルクに行く機会のある方は、ぜひ訪ねてみるといいだろう。空港ターミナルとは滑走路を挟んで反対側に位置するが、空港から市内に向かうタクシーなどに立ち寄ってもらうと便利だ。

空港、鉄路、陸路。ヨーロッパではさまざまな交通機関はあくまで各個人の「移動の手段」であることを実感できる。ここではそれぞれの交通機関の価値はインフラとしての効率や運用・利用コストだけで測られるのではなく、生活の中の「スタイル」として評価されるという。そしてそれらの優劣も差異も使い勝手もすべて、利用者個人が決めることだとされている。昨今よく耳にする「旅の選択肢」という言葉。それは本来、提供されるコストやサービスそのものの種類の広がりだけを指すのではなく、このように利用者個人が旅のあり方を選ぶ「自由」そして「可能性」を意味するワードして、もっと理解されるべきだろう。「移動」と「自由」がほぼ同義語とされているヨーロッパの旅文化からは学ぶことは多い。

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滑走路の彼方の遠い山々の間から小型機が姿を現わす。間もなく知人が乗るフライトがザルツブルクに到着のようである。数日間のザルツブルクでの仕事を終えた後、また陸路でドイツに向かおうか、あるいは予定を変更して私もこの空港からのフライトで帰路につくことにしようか。さまざまな選択を自由に楽しむことこそ、旅なのである。

そしてデッキから望むランプと滑走路の向こうに燦然と輝くのが「ハンガージジーベン(Hangar-7)」である。「第7ハンガー」の名称がつけられたシェル型のガラス張りの建物で、エナジードリンクのレッドブル社が所有している。オーストリア出身の同社ディートリッヒ・マテシッツ社長の飛行機好きは広く知られており、本業とは別の「趣味」としてさまざまな航空機を所有。ハンガージーベンはそれらの機材の一部の整備、保管、展示などを行う施設となっている。空港敷地内にあるものの空港一般設備ではなく、レッドブル社が直接運営するものだ。

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知人の到着をのんびり待っていると、ゆるやかにレストアされたスーパーコンステレーション(ブライトリング塗装)やDC-6(レッドブル塗装)が飛来し、誘導路から直接ハンガージーベンに吸い込まれていく。空港で最新鋭機の定期便の離着陸を見慣れている目には、それはまるで初夏の午後に見る幻想のようである。ここでしか見られない光景がこのように当たり前にある点で、世界の中でもザルツブルク国際空港は特別な存在である。ちなみにハンガージーベンには一般が無料見学できるエリアもあり、カフェやショップも併設されている。ザルツブルクに行く機会のある方は、ぜひ訪ねてみるといいだろう。空港ターミナルとは滑走路を挟んで反対側に位置するが、空港から市内に向かうタクシーなどに立ち寄ってもらうと便利だ。

空港、鉄路、陸路。ヨーロッパではさまざまな交通機関はあくまで各個人の「移動の手段」であることを実感できる。ここではそれぞれの交通機関の価値はインフラとしての効率や運用・利用コストだけで測られるのではなく、生活の中の「スタイル」として評価されるという。そしてそれらの優劣も差異も使い勝手もすべて、利用者個人が決めることだとされている。昨今よく耳にする「旅の選択肢」という言葉。それは本来、提供されるコストやサービスそのものの種類の広がりだけを指すのではなく、このように利用者個人が旅のあり方を選ぶ「自由」そして「可能性」を意味するワードして、もっと理解されるべきだろう。「移動」と「自由」がほぼ同義語とされているヨーロッパの旅文化からは学ぶことは多い。

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滑走路の彼方の遠い山々の間から小型機が姿を現わす。間もなく知人が乗るフライトがザルツブルクに到着のようである。数日間のザルツブルクでの仕事を終えた後、また陸路でドイツに向かおうか、あるいは予定を変更して私もこの空港からのフライトで帰路につくことにしようか。さまざまな選択を自由に楽しむことこそ、旅なのである。